HSPの私が感じた日々のつぶやき

今もまつ毛に憩う思い出の人たち②(Yさん)

今日も頑張った皆さんへ
 
今晩は!これから台風が来るようですが、そのせいか?!とても涼しいですね。今夜は鈴虫が沢山鳴いています🎵
 
さて、シリーズ化しようと思ってたら、まだ1回しか書いていなかったという【今もまつ毛に憩う思い出の人たち】シリーズ!(・・ってシリーズ化するかもわからなくなってきた・・’笑)
 
前回(1回目)では、以前同僚だった男性の事を書かせてもらいました。
 
 
2回目となる今回も、やはり会社の同僚だったYさんです。私よりも2周り?3周りくらい年上の男性の登場です!
 
 
 
Yさんは、大昔に仕事でご一緒し、交流させてもらいましたが、いまだに私に大きな影響を与えてくれている一人です。
 
 
 
大変残念ながら、2年前に突然の病に冒され、お亡くなりになられました。
 
 
 
 

Yさんとの出会い

 
 
 
Yさんと私は、とある上場企業で働いていました。
 
 
 
その時私は社員として、社長室の一部門でアシスタントに毛の生えたような仕事をしていました。
 
 
 
Yさんは、私がそこに転職して半年くらい経ったあと、総務部にアルバイトとして入られた男性でした。
 
 
 
詳しい事はわからないですが、年齢的に、おそらく定年後に再就職されたのかな?という感じでした。総務部には郵便物や社内便を取りに行ったり、備品をもらいにいったりと、一日に1度は通っていたので、段々とYさんともお話するようになりました。
 
 
 
そこの企業は、生え抜き社員も多く、また特に当時総務部には、男性(Yさんよりちょっと年下?だけど、かなり癖のある難しい男性)がおり、部署を牛耳っていました。
 
 
 
彼(部署を牛耳ってる男性)は、私たち女性社員には、ちょっとした嫌味を言うだけで目立ってヒドイ対応はしないものの、自分より下の男性や業者には高圧的な態度をとるような所のある人で・・・💦
 
 
 
 
それに引き換え、Yさんは、始終、もう本当に文字通りいつも(!)、満面の笑みでにこやかに笑っていらっしゃる、そんな優しいおじさまでした。
 
 
 
そして、総務部に来る人達みんなに、分け隔てなく話しかけて、楽しい冗談を言ったり、場を和ませてくれる方でした。
 
 
 
でも、それが面白くなかったか、お局ならぬ?その元からいる総務部のおじさんが、明らかにYさんをいびったり、とても厳しい口調で、一挙手一投足いちいち難癖をつけだしたのです。そして、既に65歳前後と思われるYさんに、重いものを持たせて運ばせたり、郵便物や宅配荷物を全て運ばせたり、こき使っているのを見て、心を痛めていました。
 
 
 
そして、それはエスカレートしていきました。例えば、お局男性がちゃんと教えないことが原因なのに、Yさんがあるべき場所に備品を置かなかったりしただけで、
 
 
「おい!!何やってんだよ!そこじゃないだろ!」
 
 
と、いちいち大声を出すのです。最初その光景を見てしまった時は、私もびっくりしました。
 
 
そのあとも、
 
 
「何やってるんだよ。あなた、ちゃんともっと考えなさいよ。大丈夫??」
 
 
 
「そんな風にされちゃ困るんだよ!ほんとに頼むよ!」
 
 
 
そして、スキがあればその会社でいかに自分が貢献してきたか、いかに物知りなのか、、といった自慢話ばかりを聞かせていました。
 
 

Yさんの姿勢

 
 
本人は先輩面を吹かせようと思ってるのでしょうが、端からみれば、それは単なる【イビリ】です。
 
 
 
毎日私が違う時間に総務部に行っても、いつもイビリのような場面に遭遇してしまい、Yさん、大丈夫かなぁ。。と心底心配になり始めました。
 
 
 
だって、若いバイトの子ではないんです。お局男性(60前後?)は、自分よりも年上の人に向かって、その言葉はないでしょう?というようなひどい事を平気で言うのですから。。
 
 
 
そんな人にに四六時中睨まれて、いちいち嫌味ばかり言われてたら、精神的にやられてしまうのも、時間の問題。。。Yさんが良い人なのがわかるだけに、端からみていて気が気ではありませんでした。。
 
 
 
 

でも、Yさんは凄かった・・!

 
 
でもYさんは、最初から一貫して、どんな理不尽な事を言われようが、嫌がらせに近いことをされようが、にこっと笑いながら、
 
【はい、そうですか(笑)。わかりました(笑)】
 
 
・・・と、お局(男)の言う事を聞いて、どんなキツイ仕事も布袋様のように、笑顔でこなしていました。
 
 
 
普通だったら嫌になりますよね・・・?
 
 
仕事だから、お金をもらうから、、という理由で何とか居続けたとしても、そんな状態が続けば、きっと嫌気がさして馬鹿らしくなり、私だったら1週間でやめたくなります。
 
 
 
でもYさんは、その後も時々冗談なども交えながら、そのお局(男)にも、めげずに話しかけるのです。。。!勿論、相手はけんもほろろに返していたのですが、それでも、どんな時も、雨が降ろうが、槍が降ろうが(!)、一貫して一切愚痴も言わずに落ち込むこともなくにこやかに笑いながら、お局(男)しかり、総務部に来る私達とも朗らかに話して、淡々と楽しく仕事をしていらっしゃったのでした。
 
 
そして、必ず総務部を訪れる人の、ちょっとしたことを褒めてくれました💖
 
 
それがただ上辺だけ(口先)ではなくて、ちゃんと見てくれているんだな、、というのがわかるような褒め方でした。
 
 
例えば、私は字を書くことが好きだったんですが、ある日、自分が宛名を書いた郵便物を総務部にもっていった時、Yさんがこんな風に言ってくれました。
 
 
「いやぁ、グレースさんは本当に字を書くのが上手だねー!いつもグレースさんの書く宛名を見ていると、まるで水が流れるような綺麗な字だなぁと、ほれぼれしながら見ていたんですよ~!(にこっ)」
 
 
気持ちを込めて、そんな風に褒めてもらえると、どんな人もうれしくなってしまいますよね♪
 
 
誰に対しても、その人のことを見抜いて、さり気なく良いところを褒めてくれる人でした。
 
 
 
月日が経っても、決してヘコタレナイYさんを見ていて、この人はとてつもないスゴイ人なのかも?!と思うようになり、それが確信に変わっていきました。
 
 
 
Yさんは、年齢で言えばお局(男)よりも恐らく5歳は年上。社歴や職位ではお局の方が上な部分は仕方無いとしても、失礼極まりないものの言い方で、当初どうでもいいことで嫌味を言われ続けていたYさん。。。Yさんはアルバイト的な雇用でもあり、いつもお局の言ったことを、頭を下げながら一切否定せずに、聞いていました。
 
 
でも、そんな時も心配そうに眺める私に気を使わせないために、「今度娘がこういう●×・・という仕事を始めたんですよ、グレースさんはこういった仕事は知っていますか?私は古い人間なんで、横文字の仕事なんてわからないんですがね。。」って笑いながら、とても嬉しそうにご家族のお話をしてくれるのです。
 
 
 
決してどんな時も、嫌な顔をせず、荒ぶることなく、腰を低く気持ちを保ち、一切人の悪口を言わない姿を拝見して、あぁ、Yさんはスゴイ人だ・・と尊敬の念に変わっていきました
 
 
 
きっと、会社だけでなく、プライベートで素敵なお友達やご家族がいるから、そこがYさんの力の源になっていたのかな・・?と、今になって思ったりしています。
 
 
 

Yさんが周りを変えていった

 
Yさんが入社して3か月くらい経った頃でしょうか。お局男性だけがいた時は誰もあまり行きたがらなかった総務部が、徐々に明るくなり、しまいには、人がいつも集まる、笑い声の絶えない部署に変化していきました。
 
 
 
更に驚いたのが、1年くらい経つと、あのお局男性がYさんや他のみんなと朗らかに笑って会話するようになってしまったではないですか!
 
 
 
人間って不思議ですね!笑顔が増えると、雰囲気がガラッと変わります。いつも身構えて、力の入っていた肩、顔のこわばっていたお局男性が、ふわっと柔らかくなって、いつの間にかとても話しやすい、オープンな男性に変身してしまったのです❣
 
 
 
そして、Yさんとも仲良くお話している!
 
 
 
その光景をみて、私は思いました。
 
 
 
Yさんは、本物だ・・・と。
 
 
 
これこそ、本当のスゴイ人だ・・って。
 
 
 
昔何かの本で読みましたが 【本当の偉人は山の上で修行する人ではなく、下界で人に交わる人だ。いろんな人間がいる中で、決して偉ぶらずに、仲良く、善行をして周囲に光を与える人こそが本当の偉人・・】(かなりアバウトな記憶で恥ずかしいのですが)、というような言葉を聞いた覚えがあります。
 
 
 
Yさんは、あの過酷な、逃げ場のない場所に入り、ヒドイ言葉を投げかけられ続けても、ぶれずに、一貫して笑顔の姿勢で対応し続けました。そしてめげて気分を落とすことなく、肉体的にも厳しい仕事を淡々とこなし、自分のありのままを上手に表現しながら、誰に対しても明るく朗らかに、温かく対応されていました。
 
 
 
本当に強い人でなければ出来ない芸当です。
 
 
 
 
そして、最後にはその場所だけでなく、そこにいた人までを、劇的に明るく変えてしまったのです。
 
 
 
 
その姿を目の当たりにして、私はガツンと頭を殴られたような気がしました。
 
 
 
 
それまでスピリチュアル、とか精神的成長、などに感化されて、本を沢山読んだり、学校やらに通って知識もつけて、自分は結構精神修養的にはイケてる(笑)部類だ・・なんて思っていたのが、大きな勘違いだったと気づいたからです。
 
 
 
正義感が強めで、曲がったことが許せないところのあった私は、Yさんをイジメる総務の悪名高いお局男性を、何とかしてやろう!と実は心の中で手ぐすねを引いて、何とかやり返すタイミングを図っていたのです(笑)。 
 
 
 
所属だけは社長室だったので(笑)。何とか上の役員達にこの悪事を密告して、上の力を利用して状況を変えてやろう!と思っていたんですね。。
 
 
 
でもYさんのやり方は違いました
 
 
 
静かな信念と清濁併せ呑む大きな器で、「北風と太陽」の太陽さんのように、最後はお局男性の心を開かせてしまったのです。。。!!!
 
 
 
私みたいな中途半端な正義感なんて、とてもマネできない程の、突き抜けた人間力でした。(浅はかだった当時の自分が恥ずかしいです・・・)
 
 
 
こういうスゴイ方が、日本の会社の片隅にいるんだ。。ここの創業社長よりよっぽど人間の格は上だな・・と実感してしまった私(笑)。
 
 
 
 
そのあと私は会社を変わりましたが、年賀状のやり取りだけは続いていきました。(元いた会社の友人だって、2,3年もすれば年賀状のやり取りをしなくなります。でも、Yさんはずーーっと、毎年欠かさず、それも必ず一言何かメッセージを書いて、送ってくださいました!)
 
 
 
それが一昨年、あれ?年賀状が来なかったな。。となりました。
 
 
 
どうしたのかな・・と少し嫌な予感が走ったのです。。すると、しばらくして、奥様からハガキが来て、突然その前年に亡くなられたことを知ったのでした。。。
 
 
 
人間、誰もが最後は命の寿命を迎えます。でも、Yさんがお亡くなりになったことを知った時は、本当にショックでした。あの明るい声と笑顔は、いつもどこかで私の支えになっていたから。。Yさんは、あの過酷な中で輝きを放って頑張っていたんだ、私だってこの位乗り越えられる!そう言い聞かせていた部分があったかもしれません。
 
 
だから、年賀状のやり取りだけになっていたけれど、どこかでいつも繋がっていたし、人間として憧れていたYさんが亡くなったという知らせは、本当に悲しかったです。しばらくは落ち込みから抜け出せませんでした。。
 
 

Yさんの笑顔が残してくれたもの

 
 
私の本棚の上には、今もYさんの笑顔の写真が飾ってあります。
 
 
 
嫌なことやムカつくことがあって、思わず相手を憎みそうになった時、相手にやり返してやろう!と思ってしまいそうな瞬間、その笑顔が私にこう語りかけてくれている気がします。
 
 
 
「結局どんな時も、笑顔で生きるのが最強だよ。いつも心に太陽をもって生きていれば、必ず状況は良くなりますよ」・・・って。
 
 
きれいごとに聞こえるかもしれないけど、これは本当なんだって私にはわかります!だって、目の前でYさんがその奇跡を私に見せてくれたから!
 
 
Yさんのような人になれるか、、といったらまだまだ遠い道のりになりそう。。。でも、これからも天から見守ってくれていることを信じて、その生き様を胸に、少しでもYさんのような人に近づいていけたらいいなと思っています。
 
ありがとう、Yさん!!どうか、天国でも大好きな釣りをしながら、沢山笑って、お仲間と沢山冗談を言って楽しんでくださいね!
 
 
 
今日もお疲れ様でした!明日が皆さんにとって素敵な良い一日となりますように・・・・!