HSPの私が気づいたこと

HSPで敏感な人は、Resilience(回復力)を鍛えてみるのも1つの方法

今晩は!
 
最近はだいぶ肌寒い日が続くようになってきましたが、皆さんお元気ですか?
 
私は基本的に寒い季節は大好きなので(笑)、外を歩いていて顔に冷たい風が当たるたびに、幸せ感が溢れている今日この頃です。
 
 
さて、HSPの皆さんの中で、心を平常に保たないといけない時に限って、逆に心が弱まったような感覚になったり、敏感に周りの人の様子に影響を受けてしまって、困ったことはありませんか?
 
 
・・というか、ほとんどのHSPがこの悩みを抱えていると思います。
 
 
HSPは先天的に(生理的に)「敏感度」が(非HSPよりも)高いため、訓練や精神的な修練で「鈍感」になることは、とても難しいと言われています。
 
 
例えば仕事のプレゼン時や、強面の人達との会合など、自分の意見をハッキリと主張しなきゃいけない時には、HSPの敏感さは(本人がコントロールできないだけに)とてもやっかいなものになりかねません。。
 
 
 
でも、そんな私たちに、魔法のような特効薬・・とまではいきませんが、トレーニングや繰り返しで身に着けることで、少しだけ助けになりそうな能力があるのでご紹介します!
 
 

HSPとレジリエンス(Resilience)

 
 
 
最近日本でも良く聞かれるようになった言葉【レジリエンス(Resilience)】。
 
 
 
皆さん、ご存知の方も多いと思います😉
 
 
 
レジリエンスという言葉には様々な解釈があるようですが、要は、いかに心理的な傷つきや落ち込み(=困難な状況に遭った)等から、以前の状態に回復(立ち戻る)ことが出来るか?という回復力を指す場合が多いようです。
 
 
 
このレジリエンス(回復力)、元々この力を高いレベルで生まれ持つ人もいますが、後天的に訓練によって獲得する事が出来ます❣
 
 
 
そして私たちHSPも、敏感さに関係なく、自分の意識やちょっとした努力でこの能力高めていける可能性が研究によってわかってきました!
 
 
 

HSPと傷つきやすさ

 
 
 
世の中には、いわゆる【メンタルの強い人】がいます。
 
 
 
どのようなストレスが降り注がれても、それを逆に「チャンス」とばかりに受け止めて、えいやっ!と乗り越えて成長していける人達。
 
 
 
一方でHSPのように、【メンタルが敏感な人(一般的に心が弱い人・・と言われてしまっていますけど)】もいます。
 
 
 
非HSPさんとHSPが人口に占める割合は、何度も記事で書いてきた通り、おおよそ80%(非HSP)対(vs) 20%(HSP)くらい✨
 
 
会社で言えば、1人のHSPの周りに4人の非HSPの方たちがいる・・というような感じでしょうか。。
 
 
 
HSPと非HSPの生理的(先天的)な違いは、既に幼少時からハッキリ表れていることもわかっています。
 
 
 
HSPは乳幼児期から、すでにストレスを感じた時のノルアドレナリン分泌量が多かったり、慢性的なコルチゾール(ストレスを感じた時に出すホルモン)の多さなど、生物学的にも特徴が報告されているそうです(Kagan,1988)。
 
 
 
エイロン博士によって広く認識されるようになった【HSP】ですが、もって生まれた繊細さ(敏感さ)によって、少しの苦痛でもストレスだと感じやすく、抑うつ気分を持ちやすい傾向があると言われています。また、自尊心も低い傾向にあるという研究結果も。。。(Atras, 1944;Boyce & parker, 1989)  
 
 
そんな私たちHSPが、レジリエンスの力をつけた時、どのような効果をもたらしてくれるのでしょうか?
 

レジリエンスとは?

 
レジリエンス(Resilience)とは、先ほども書いた通り、何か事故・事件、大きなストレスなどで心に負荷がかかったり傷ついた時に、そのストレスが起こる以前の状態に心を回復させる力です。
 
 
 
これは、例えば【何かあっても、自分の気持ちを無視して強くあり続ける】・・というのとは違います。
 
 
 
困難があっても、そこから素早く立ち直る力・・です。
 
 
 
よく、英語では”Bouncing back“という風に言うんですが、何かあったとしても弾力性をもって、元の状態に戻る・・というように表現されることもあります。
 
 
 
 
例えていうと、「樫の木は強風に立ち向かいバキっと折れてしまうことがあるけれど、はどんな風に対しても枝をしならせて、生き残る」・・という感じでしょうか。
 
 

 
 
少し前まで、HSPの性質を持つ人がレジリエンス能力を開発することは難しい、、と言われていた時代がありました。
 
 
 
でも、実は敏感さとレジリエンスの両方を持つことは可能なのだそうです!
家族の遺伝的なことや幼少時のトラウマなどが要因で、環境に適応できない傾向があったとしても、このレジリエンス(回復力)によって、不適応な状態を修正できる可能性があることもわかってきました。
 
 
 

レジリエンスの力を付けることで何が起こるのか?

 
 
 
要は、ストレスを強く感じることがあったとしても、そこから回復しやすくなるので、もし何か嫌な事があっても、その場所(環境)にいることが出来なくなってしまうような【不適応】を起こさなくて済むようになるのです。
 
 
 
例を挙げてみましょうか。
 
 
 
例えば、職場で超性格の悪い同僚(または上司・後輩)社員がいて、何かにつけて細かいことを、わざと周りに聞こえるように嫌味っぽく指摘してくる困った人がいたとしましょう。
 
 
 
今までならば、、、。
 
 
 
あー、いやだなぁ。。こんな人のいる場所で働き続けるのは無理・・。メンタルがやられる・・
 
 
 
となって、そんな状況が続くうちに朝起きられなくなってしまったり、毎日通勤するたびに、胃の中に大きな重石がつまっているように感じて、体調を崩してしまう。そして仕事=ストレス以外の何物でもなくなってしまいます。
 
 
 
 
もし、仕事の内容自体はあなたの才能を活かせて、得意な事だったとしても、たった一人、その嫌な奴(!)と毎日顔を合わせなければいけないという理由だけで、その会社で働き続けることが厳しくなってしまうのです。。
 

 
 
それって、悲しいし悔しいですよね?
 
 
 
でも結局、自分の健康のためにと、会社を辞めることを決意する ⇒ そしてまた就活に苦労する・・。
 
 
 
そうやって、自ら職(経済的な安定)を手放さざるを得なかった人もいるのではないでしょうか?
 
 
でも、このレジリエンスの力を強めて、他のストレス解消法なども並行して行う事で、自分の回復力を高めていくと、今まで90%はその人の事で重くなっていた心が、もしかすると20~40%くらいは軽くなり、その環境の中で上手く自分を適応させていくことが出来るかもしれません。
 
 
 
そして、メンタルの健康を維持することが前よりも楽に出来るようになる可能性があります(あくまで一例です。全ての人に当てはまるわけでは無いことをお伝えしておきます。実際に今カウンセリングなどを受けられている方は、その先生や医療従事者の方のアドバイスを一番に聞いてくださいね!)。
 
 

レジリエンスが高い状態とは

 
では、レジリエンスが高い状態とはどんな状態なのでしょうか? 欧米のWeb記事(Positive psychology com.)に掲載されていた記事があったので、内容をお借りして書いてみますね。
 
1.自主性を持っている(もし家族間で不調和や問題があったとしても、そこから上手に自分を切り離して、自分は異なる個人だ・・としっかり認識して自分の気持ちや状況を一番大事にできる)
2.プレッシャーのある状況でも平常心でいられる
3.合理的な思考ができる
 4.   自尊心が高い
5.   楽観主義
6.  幸福感と感情的知性(EQ:心の知能指数)が高い
7.意味と目的を持っている(自分の人生が重要であると信じられる)
8.  ユーモアを忘れない
9.  利他主義(親切心)、愛、思いやりを持っている
 
下記もレジリエンスの高い人の特徴として、Glenn Schiraldi 氏が述べている特徴です。
10.性格(誠実さ、道徳的な強さ)
11.好奇心を持っている(集中力・興味を持って取り組むことに関係します)
12.バランス感覚を持っている(趣味、教育、仕事、社会的・文化的な娯楽など、幅広い活動をしている)
13.  社会性と社会的能力(人と仲良くする、絆を深めるスキルを使う、人間関係を求めてコミットすることをいとわない、相互依存を楽しむ)。
14.  適応性(粘り強さ、自信、柔軟性を持ち、コントロールできないことを受け入れ、工夫して問題を解決する能力や積極的な対処法を考える)
15.(根本的な大きな)信仰心
16.苦しみを長い目で見て客観的に受け止める力
17.優れた健康習慣(十分な睡眠、栄養、運動をとること、アルコールやその他の物質を過度に使用しないこと、たばこを全く使用しないこと、身だしなみや衛生状態を整えることなど)
 

レジリエンスを高めるためのヒント

 
では私たちがレジリエンスを実際に高めるために、どのような事を心がければ良いのか、アメリカ心理学会(American psychological association (APA))が記載していた文章を最後にあげてみますね(時間が無かったため、一部は機械翻訳を使いました。そのためちょっと不自然な日本語の部分がありますが、ざっくり意味を掴んでもらえたら嬉しいです! )。
 
 
1.人と関係を築いていく
あなたの事を心から理解してくれる思いやりある人で、【この人は大丈夫だ!】と思える人だけに特化して、少しづつ関係を築いて深めていきましょう。きっとあなたが困難を感じる時に、そばにいてくれるはずです。
良さそうなグループ(コミュニティ)に参加してみるのも良い方法です。
 
2.自分の健康をより促進させる
 
身体を大事にしましょう。セルフケアという言葉は、人気の流行語かもしれませんが、心の健康とレジリエンスを構築するために、実際に効果がある方法です。ストレスというのは、感情的であるのと同じくらい肉体的であるためです。適切な栄養、十分な睡眠、水分補給、定期的な運動などのポジティブな生活習慣行動をどんどん促すことで、ストレスに適応するように体を強化し、不安やうつ病などの感情の負担を減らすことができます。
 
マインドフルネスを練習しましょう。正直に自分の気持ちを日記に綴る、ヨガ、そして祈りや瞑想などの他の精神的な行為もまた、人々がつながりを築き、希望を取り戻すのを助け、回復力を必要とする状況に対処する準備を助けます。日記を書いたり、瞑想したり、祈ったりするときは、個人的な試練の中でも、人生の前向きな側面について書き出してみるのが良いでしょう。感謝していることを思い出してください。
 
負の繋がり(ネガティブな方法で解決しようとする行為)を断ちましょう
アルコール、ドラッグ、その他の物質で自分の負った傷の痛みを隠したくなるかもしれませんが、それは深い傷に包帯を巻くようなものです。ストレスの感覚を完全に排除しようとする代わりに、ストレスを管理するための様々な方法や支援をどうすればあなたの身体に効果的に与えられるだろう、ということに意識を集中させましょう。
 
3.日々、目的を見つける
 
他の人を助ける。地元でボランティアをする場合でも、単に必要なときに友人をサポートする場合でも、目的意識を獲得し、自尊心を育み、他の人とつながり、他の人を具体的に助けることができます。これらすべてがあなたに力を与えるでしょう。
積極的に動いてみる。「自分の人生の問題について何ができるか」と自問することで、自己発見を促進するのを助けることも重要です。問題が大きすぎて取り組むことができないと思われる場合は、それらを扱いやすく、部分ずつに分解します。
たとえば、職場で解雇された場合、上司に解雇するのは間違いだったと納得させることが、残念ながらできない場合があります。でもその時間を使って、あなたは自分の最高の強みを開発したり、あなたの履歴書に取り組んだりするために毎日1時間を費やすことができます。自分の人生を主体的に動かしていくことで、人生のストレスの多い時期でもモチベーションと目的を見出すことができ、痛みのある時期に再び立ち上がる可能性が高くなることを、自分で思い起こすことが出来るのです。
あなたの目標に向かって前進する。いくつかの現実的な目標を立て、小さな成果のように見えても定期的に何かを実行して、達成したいことに向かって進むことができるようにしましょう。達成できないと思われるタスクに集中するのではなく、「自分が行きたい方向に進むのに役立つ、今日自分が達成できることの1つは何だろう?」と自問してください。たとえば、愛する人の喪失に苦しんでいて、前を向いて生きてきたいと思っている場合は、今住んでいる地域の悲しみ支援グループに参加することもできます。
自己発見の機会を見つける。人々はしばしば、闘争の結果、自分たちが何らかの点で成長したことに気づきます。たとえば、悲劇や苦難の後、人々は傷つきやすいと感じていても、より良い人間関係とより大きな強さを得たという感覚が生まれたことを報告しています。それは彼らの自尊心を高め、人生への感謝を高めることができます。
 
4.健全な想い・気持ちを慈しむ
 
物事を前向きに捉える。どのように物事を捉えて考えるかは、あなたの感情、そして障害に直面したときの回復力に、とても重要な役割を果たします。困難な状況を破滅的にとらえたり、周りの世界が自分を陥れようとしている、、などと思い込む傾向など、非合理で非現実的な思考の部分を特定し、よりバランスのとれた現実的な思考パターンを採用するようにします。たとえば、自分が挑戦しようとしたことが上手くいかず、結果に打ちのめされたとしても、今回自分に起こったことは、決して自分の未来を暗示するものではないし、それに対して無力だということではないことを思い出してください。非常にストレスの多い出来事の中身を変えることはできないかもしれませんが、あなたはその解釈を前向きなものとして書き換え、対処方法を変更することができます。
変化を受け入れる。変化は人生の一部であることを受け入れてください。あなたが人生の逆境に苦しんでいる時には、結果として特定の目標や理想はもはや達成できないかもしれません。自分が変えることの出来ない状況を受け入れると、自分で変えられることの出来る状況に集中するのに役立ちます。
希望に満ちた見通しを維持する。人生がうまくいかないとき、前向きになるのは難しいです。楽観的な見通しは、あなたに良いことが起こることを期待させ、力を与えます。恐れていることを心配するのではなく、欲しいものを視覚化してみてください。途中で、困難な状況に対処する際に、気分が良くなるような巧妙な方法がないかどうか、注意してみてみましょう。
あなたの過去から学びましょう。以前の苦痛の時代に誰が、または何が役に立ったかを振り返ることによって、新しい困難な状況に効果的に対応する方法を発見するかもしれません。どこで力を見つけることができたかを思い出し、それらの経験から何を学んだかを思い出してください。
 
 
5 助けを求める
 
必要なときに助けを得ることが、レジリエンスを構築する上で非常に重要です。
多くの人にとって、回復力を構築するには、独自の方法・資源と上記で書いたような戦略を使用するだけで十分な場合があります。しかし、時には、個人が立ち往生したり、レジリエンスへの道を進むのに苦労したりすることがあります。
そういう時には、プロの助けを借りることも1つの方法です。
あなたは一人ではありません!大事なのは、このような困難な道を歩んでいるのは、あなただけではないという事です。 すべての状況をコントロールすることはできないかもしれませんが、大切な人や信頼できる専門家のサポートを受けながら、人生の課題の中で自分ができることに集中することで、成長することができます。
 
さぁ、いかがでしたか? 回復力が高まれば、仕事も長続きするし、よりpositiveな気持ちで毎日を過ごせる状態が増えますね!それだけで、かなり心の負担は軽くなるはずです。
 
 
ただ、レジリエンスは私たちHSPの敏感さを緩めるだけの力はあまり無い・・・という研究結果も出ているため(1), 今のところは、レジリエンス=心を回復&軽くさせるための1つの力・・として覚えておくと良いと思います!
 
 
レジリエンスという概念について、また機会があれば深く探ってみたいなぁと思っています。今回の情報が、少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです♪
今回はAPA,平野真理氏、他、欧米の論文やWebなどを参考に記載しました
 
今日もお疲れ様でした!明日も良い1日となりますように・・・!